俺以外にも絶対にいるはずだ!!
2010年7月28日 乗り物 コメント (4)夜のドライブ。
街灯が少ない道を進む。
車内に生き物の気配がする。
「ちっ! 乗るときに虫が入ってきたか…」
男は多少の苛立ちを覚えながら、運転に集中する。
一瞬、首筋に違和感が。
左手でハンドルをしっかりを握り、素早く右手で首筋を叩く。
右手をちらっと見て一言。
「逃がしたか…」
しばらく車を走らす。
ハンドルを握る左手の甲をふと見るとそこには、小さな虫が止まっていた。
(そこにいたか!)
前方をしっかり確認した後、今度こそはと素早く右手で自分の左の手の甲を叩く。
ぺちん!
よし! 手ごたえあり。
そっと右手の掌を見ると、そこには絶妙な力加減にて殺生した小さな虫がいた。
「ごめんな…」
その手を足元に下ろした後、再びハンドルを握る。
そしてまた、しばらく車を走らす。
街灯の近くを通り過ぎたとき、右腕が一瞬照らされ、今度は右手首あたりにそれを発見した。
(なに~、敵は1体ではなかったのか!?)
しかし、男は先ほど1匹を倒したばかり。
まだ、あの感触は覚えている。
(次も一撃で仕留める!)
男は自分にそう言い聞かせ、再度前方を確認。
スピードを若干落とした後、今度は左手で素早く右手首付近を叩く。
(よし! 今度ももらった)
ぺちん!
そして、男は左の掌の中を確認し愕然とする。
「あれ!? 仕留め損なったか」
今度の奴は手強い。
そう感じた男は、しばらくそいつはどこにも止まらないだろうとふんで、運転に集中することにした。
次の瞬間、またも街灯による灯りで一瞬、自分の右腕を照らす。
「え!?」
先ほど逃げたばかりのヤツがまたも同じ場所にいるではないか!
(こいつ、俺を舐めやがって…)
ソイツを視認した瞬間、男の左手がスナップをきかせ、右手首にヒットした。
バチン!!
今度は力加減を一切しなかった。
これで確実にヤツを葬ったはずだ。
悠然とした動きで左手の掌を見た。
「なにぃ! い、いないだと!」
そこに、圧死しているはずのヤツがいないのだ。
(馬鹿な…、俺は無拍子にてヤツをとらえたはず…)
納得のいかないまま、男は運転を続けた。
そして、またも街灯の灯りが右腕を照らした時、男はすべてを理解した。
「ふっ、そうか…、そうだったよな」
「確かそこには、小さな黒子があったよな」
自嘲気味な笑いを押し殺しながら、男は運転に集中した。
おそらく、男は恥ずかしさのあまり、顔は真っ赤になっていることだろう。
しかし、不幸中の幸い、夜の闇がそれを隠してくれる。
こんな馬鹿げた出来事、誰にも言えない。
このままずっと胸にしまっておこう。
男は自分にこう言い聞かせ、帰路についた。
男は車を車庫に入れ、車から降りる時、思わずニヤリと笑う。
「今日のノルマは達成だ…」
街灯が少ない道を進む。
車内に生き物の気配がする。
「ちっ! 乗るときに虫が入ってきたか…」
男は多少の苛立ちを覚えながら、運転に集中する。
一瞬、首筋に違和感が。
左手でハンドルをしっかりを握り、素早く右手で首筋を叩く。
右手をちらっと見て一言。
「逃がしたか…」
しばらく車を走らす。
ハンドルを握る左手の甲をふと見るとそこには、小さな虫が止まっていた。
(そこにいたか!)
前方をしっかり確認した後、今度こそはと素早く右手で自分の左の手の甲を叩く。
ぺちん!
よし! 手ごたえあり。
そっと右手の掌を見ると、そこには絶妙な力加減にて殺生した小さな虫がいた。
「ごめんな…」
その手を足元に下ろした後、再びハンドルを握る。
そしてまた、しばらく車を走らす。
街灯の近くを通り過ぎたとき、右腕が一瞬照らされ、今度は右手首あたりにそれを発見した。
(なに~、敵は1体ではなかったのか!?)
しかし、男は先ほど1匹を倒したばかり。
まだ、あの感触は覚えている。
(次も一撃で仕留める!)
男は自分にそう言い聞かせ、再度前方を確認。
スピードを若干落とした後、今度は左手で素早く右手首付近を叩く。
(よし! 今度ももらった)
ぺちん!
そして、男は左の掌の中を確認し愕然とする。
「あれ!? 仕留め損なったか」
今度の奴は手強い。
そう感じた男は、しばらくそいつはどこにも止まらないだろうとふんで、運転に集中することにした。
次の瞬間、またも街灯による灯りで一瞬、自分の右腕を照らす。
「え!?」
先ほど逃げたばかりのヤツがまたも同じ場所にいるではないか!
(こいつ、俺を舐めやがって…)
ソイツを視認した瞬間、男の左手がスナップをきかせ、右手首にヒットした。
バチン!!
今度は力加減を一切しなかった。
これで確実にヤツを葬ったはずだ。
悠然とした動きで左手の掌を見た。
「なにぃ! い、いないだと!」
そこに、圧死しているはずのヤツがいないのだ。
(馬鹿な…、俺は無拍子にてヤツをとらえたはず…)
納得のいかないまま、男は運転を続けた。
そして、またも街灯の灯りが右腕を照らした時、男はすべてを理解した。
「ふっ、そうか…、そうだったよな」
「確かそこには、小さな黒子があったよな」
自嘲気味な笑いを押し殺しながら、男は運転に集中した。
おそらく、男は恥ずかしさのあまり、顔は真っ赤になっていることだろう。
しかし、不幸中の幸い、夜の闇がそれを隠してくれる。
こんな馬鹿げた出来事、誰にも言えない。
このままずっと胸にしまっておこう。
男は自分にこう言い聞かせ、帰路についた。
男は車を車庫に入れ、車から降りる時、思わずニヤリと笑う。
「今日のノルマは達成だ…」
コメント
タイトルとは違い、格好良い雰囲気で、中身もドラマチック?的な感じで楽しませていただきましたーw
小説みたいだね。(笑)
でもね…。
ごめんよ;
僕は…黒子をヤツと間違えて叩いたことがないよ。(笑)
そうそう、ジャッジメントの…って何でやねん!
久しぶりに天然をやってしまいましたよw
初体験でしたw
どうやら暑さで少し頭がヤられていたようですw
(はい、見苦しい言い訳です)